路面のくぼみや側溝など、人や車が通る地面の少し壊れたようなところに作られたミニチュアガーデン。普段は気にも留めないコンクリートやレンガの地面から、突如現れた小さな世界があったら、思わず歩く足を止める人も多いでしょう。
　タイトルにもあるように、本書は路面にあるくぼみなどを利用して花や小物を置いた小さな庭のコレクションです。舞台のほとんどはイギリス。ロンドンの街並みを背景に、赤い電話ボックスと風に揺れる花たちの表紙が目を惹きます。この作品のタイトルは『Call Me』。その他にも、落書きされた壁に埋められた庭には『Wall Garden』、イギリス王室の結婚を祝った庭の『Royal Garden』など、それぞれの作品たちにぴったりなタイトルが付けられています。
　立ち止まって目線を下げてみると、いつも見ている風景がなんとなく違って見えるもの。何気なく歩いている道に、こんな遊び心あふれる小さな庭があったらついカメラを向けてしまいそうです。身近な場所で見る人を和ませるような小さな庭を作ってみてはいかがでしょうか。