“ジャスミン”とよばれる植物は数百種類以上ありますが、この植物名をもつ植物は存在しません。この名前は、モクセイ科ジャスミナム属(ソケイ属)の植物の総称名なのです。日本には、マツリカ(茉莉花)とハゴロモジャスミン(羽衣ジャスミン)がよく知られています。

マツリカの原産地は、この花を「国花」とするフィリピンやインドネシア辺りの熱帯アジアとされ、英語名は、「アラビアン・ジャスミン」です。学名は、「ヤスミウム サンバック(Jasminum sambac)」で、「ヤスミウム」はジャスミナム属を示し、アラビア語の「ヤスミン(マツリカ)」の名前に由来します。「サンバック」は原産地のタガログ語で「永遠の愛を誓う」を意味するといわれます。

マツリカの花は、夜に開花する純白の花であり、強い香りを放ちます。花の香りは、リナロールという成分が中心で、ジャスミン・ティーに使われます。

ハゴロモジャスミンの原産地は中国の南部地域で、学名は、「ヤスミウム ポリアンスム(Jasminum polyanthum)」です。「ポリアンスム」は、「多くの(ポリ)花(アンスム)」を意味します。その通りに多くの花が咲きます。

これは、ツル性の植物で、住宅地のフェンスなどに絡まらせて栽培されます。赤紫色のツボミから咲く花は強い芳香を漂わせ、内側は白色ですが、外側は薄いピンクです。そのため、英語名は、「ピンク・ジャスミン」です。

ジャスミンとよく似た、たいへんいい香りを漂わせる植物に、黄色の花を咲かせるカロライナジャスミンや、純白の花を多く咲かせるマダガスカルジャスミンがあります。香りがよく似ているので、「ジャスミン」という名前がついています。しかし、カロライナジャスミンはマチン科の植物であり、マダガスカルジャスミンはキョウチクトウ科の植物ですから、植物学的には、ジャスミンと類縁関係はありません。

カロライナジャスミンは、「ゲルセミン」などの有毒な物質を含んでおり、お茶として飲んではいけません。めまいや、呼吸が低下するという中毒症状がおこります。(text:TANAKA Osamu)

カロライナジャスミン
ハゴロモジャスミン
マダガスカルジャスミン
マツリカ

フラワーデザイナー資格検定試験では

NFDのフラワーデザイナー資格検定試験では、花の形体や形態、キャラクターなどにより、作品のイメージに合った使い方をします。 この中では、ハゴロモジャスミンがよく使用されます。
ハゴロモジャスミンのツル状の茎は、自らの力で伸びていくようなイメージで、 その動きを生かして作品に躍動感を与えたり、 細い茎や細身の葉で柔らかさを表現したりします。また、茎先にまとまってついているジャスミンの花を、短めにアレンジメントの底辺に使用することもあります。(text:NFD)

    2級テーマ 非対称形の花嫁の花束

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