コスモスはキク科コスモス属の植物で、原産地はメキシコです。日本には、明治時代に渡来しました。その後、日本の庭や花壇で栽培され、切り花や生け花、フラワーデザインに用いられ、“秋の花”として、私たちの身近なものになってきました。そのため、属名に由来する「コスモス」というラテン語で呼ばれつつ、いつの間にか、「秋桜」という漢字名で書かれるようになりました。

この植物の学名は、「コスモス ビピナツス(Cosmos bipinnatus)」であり、「コスモス」は、コスモス属を示し、ギリシャ語では、「秩序」や「調和」を意味する語です。「ビピナツス」は、この植物の葉の形に由来します。

コスモスは、「秋桜」と書かれますが、花びらの枚数は、サクラが5枚に対し、この植物は8枚です。1枚に見える花びらの先端には、ギザギザの切れ込みがあります。これは、起源的には、5枚の花びらがくっついて1枚になっているので、理屈の上では、もとの花びらの境目が4つの切れ込みになっているのです。 といっても、コスモスはキク科の植物なので、6月のマトリカリア(ナツシロギク)で紹介したように、花は「舌状花」と「筒状花(菅状花)」が集まっている「頭状花」です。そのため、「花びら」と呼んでいるものは、一枚一枚が「舌状花」という花であり、それらに囲まれて、中央部に多くの「筒状花」が存在します。 それぞれの筒状花は、開花する前には五角形ですが、開花すると、きらきらと輝くような星型になります。それを観察していると、真偽は定かではありませんが、この植物が「宇宙」を意味する「コスモス」と名づけられた所以が感じられます。

よく似た植物に、キバナコスモスがあります。これは、コスモスと同じメキシコを原産地とし、コスモスと比べて、筒状花が盛り上がり気味に咲き、葉の形が少し太めの印象で、背丈は低めです。 現在では、コスモスも、黄色花を咲かせるものがつくられていますが、それまでは、黄色の花を咲かせるコスモスはなかったといわれます。キバナコスモスは、学名では「コスモス スルフレウス(Cosmos sulphureus)」といわれ、植物種としては、コスモスと別のものです。「スルフレウス」は、花の濃い黄色を意味する語といわれます。 (text:TANAKA Osamu)

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花の形体や形態、キャラクターなどにより、作品のイメージに合った使い方をします。
コスモスは、細く伸びた茎先に、ピンク色の可憐な花がつき、秋風にそよいでいるイメージがあります。規則正しく8枚の柔らかな花びらが並び、主張することのない謙虚さや女性らしさを感じさせる植物です。
フラワーデザイナー資格検定試験では、 豊かな茎の動きを利用します。 弧を描くものはラインの美しさを強調する「交差」に使用したり、うねりのあるものはアウトラインの中で動きを出したいとき、例えば「新古典的」などに使用されたりします。 (text:NFD)

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