カーネーションの文化誌
トゥイグス・ウェイ/著 竹田円/訳 原書房/刊
2021年/発行 264ページ

種類や色も豊富なカーネーションは、母の日を代表する花として知られています。NFDの検定試験の花材としても使われているので、見慣れた花のひとつではないでしょうか。
そんな風に、古来より愛されているカーネーションの知られざる歴史をひもといた本書では、神の花と命名した紀元前の話から、神話や名画に描かれた花の話など、カーネーションがどんな文化をたどってきたのかが紹介されています。花そのものではなく、栽培家、織物職人たちの歴史も掘り下げられていて、当時のリアルな情景が目に浮かぶほど詳しく、かつ面白く書かれていますので、時間をかけてじっくり読むのがオススメ。いつの時代も、花という存在は常に人々のそばにあり、ときに心を癒したり、何かを象徴するために使われてきたことが分かる一冊です。(蔵書番号:0003184)

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