20 世紀美術を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス。晩年は、切り絵絵に精力的に取り組み、新しい技法を完成させました。本書は、その切り絵絵と集大成でもある礼拝堂装飾に焦点を当てた展覧会の図録です。切り絵絵は色鮮やかで、一度見たら忘れられないデザインばかり。その中でも《花と果実》は 410 ×870cm もの大作であり、色とりどりに配置された花が目を引く作品です。切り絵絵以外にも、舞台衣装やカズラ(ミサの際に司祭が白衣の上に着る式服)のデザインやヴァンス礼拝堂のステンドグラス、室内装飾も掲載されています。1951〜52年に、日本の文芸雑誌の表紙と裏表紙に掲載された切り絵絵もあり、マティスの色彩の美しさと多彩なデザインが詰め込まれた、おすすめの一冊です。
(蔵書番号:0003198)