2025テーマ:新しい可能性
キーワード:多様な価値観の尊重
春夏カラー:ライトオレンジ×パステルカラー

足早に春は過ぎ・・・
雨上がりの後のキラキラした日差しに まもなく初夏を感じる季節となりました。

新緑と黄金色の稈(かん)(茎)が美しい キンメイチク / 金明竹 に「素材としての美しさ+骨組み(作品の構造)」の二つの要素を持たせ 吸水フォームを使用しない「自立する軽やかなアレンジメント」を制作したいと思います。


<使用花材> 
キンメイチク、タラスピ、ディケロステンマ、アルストロメリア、キンケイギク、モミジ(実付き)

<使用資材>
スクエア型の陶器、ガラスタイル・オレンジ、スティックロープ(ポリエステル製蝋引き紐)・白


<作り方>

1)キンメイチクの接点をスティックロープで固定しながら、器の中で自立できるように作品の骨組みを作ります。

2)タラスピやモミジの葉を入れます。この時、たくさんついた葉は適宜取り除き、空間の「疎密感」や植物の動きや流れに気を配って竹の節や接点を利用しながら軽快にあしらいます。

3)奥行きや段付けを意識しながら 作品に春夏トレンドカラー「ライトオレンジ」の彩りを加えていきます。

4)今回のこだわりの花材は ライトオレンジの種を付けたモミジです。
この種は、翼下(よくか)と呼ばれ、子孫を残すため風に乗って遠くまで飛んでいけるようにプロペラの形をしています。 
そのほか、オレンジ色のアルストロメリアに同系色のキンケイギクやパステルカラーのディケロステンマ(淡紫)などの素材をセレクトしました。
花材それぞれが自立しながら、全体が「まっすぐのびやか」に見えるように構成したのが以下の画像です。 

5)次にキンメイチクの造形にひねりを加えて全体のフォルムにリズムを持たせました。
骨組みに変化を持たせることで花あしらいの全体の印象にバリエーションを加えることができます。
足元の器に小さなガラスタイルをちりばめて完成です。

【まとめ】
素材自体を「花材」+「花留め」として作品の中で表現する方法は 今後作品のデザインの種になりそうです。

それぞれの素材を自立させながら制作するのは とてもデリケートな作業ですが フラワーデザインで取り入れることができる「SDGs」と捉えることもできます。
足元の軽やかさや 器に対するハイプロポーションの見た目は 空間を軽やかに彩るディスプレイにもおすすめです。


竹村 結花 TAKEMURA Yuika
NFD名誉本部講師 愛媛県支部
花ファッションデザインチーム

follow us