晩秋を迎え、いよいよ冬になろうとしているこの季節。秋色に染まった山々を観賞しながら、冬の訪れを感じることが増えてきました。その気持ちを作品で表現できないかと思い、今回の作品を提案してみました。
*花ファッショントレンド2025*
テーマ:新しい可能性
トラディッショナルなトライアンギュラーの幾何学形態を生かして、新しい可能性を見いだせないかと思い取り組みました。
普段から使用している裸ワイヤをあえて隠さずにデザインに取り入れて、ビッケリングの装飾技法を用い、ラフィアや毛糸を巻き付けます。
新しい可能性とともに、てヴィッケリングを再評価できればと思いました。
キーワード:多様な価値観の尊重
秋にふさわしい実物を使用しつつも、冬の情景、その中でも代表的なアドヴェントやクリスマスを感じさせる形でもあるトライアンギュラーを用いることで、季節をまたぐような多様な利用方法が叶う作品にしました。
秋冬トレンドカラー:ダークオレンジ×ディープカラー
ダークオレンジ系として秋らしい野菜のかぼちゃやストライブド・トーガ・ナス、ケイトウ、秋色に染めたユキヤナギ、流木やコルクの樹皮などの植物素材の暖かな色味とワイヤに、オレンジ色の毛糸やラフィアでヴィッケリングをした異素材を取り入れることで、トレンドカラーを強調しました。
<使用花材>
ケイトウ、トケイソウ、ユキヤナギ、ストライブド・トーガ・ナス、カボチャ

<使用素材>
流木、コルク樹皮

<使用資材>
花器、吸水フォーム(ピンク)、毛糸、ラフィア、ワイヤ(#22)

1)22番裸ワーヤを不規則な格子ができるように、ねじりながら歪んだ丸になるよう作っていきます。大中小と3種類制作します。



2)1)に毛糸やラフィアを使用して、ヴィッケリングをします。
この時、裸ワイヤ全体に巻き付けるのではなく、ところどころは裸ワイヤのままにしておくことで、素材の表面構造の違いや、太さの変化をつけて、面白さを出していきます。


3)花器に水を吸わせたピンクの吸水フォームを入れます。
今回、カラーの吸水フォームを利用することで、ベースカバーをすることなく、チラッと隙間から見える色を楽しむことができます。

4)コルク樹皮を挿し、それを支えるように、後ろに流木を挿し、手前には竹串を挿したかぼちゃを挿します。

5)2)の一番大きなものを、トライアンギュラーをイメージしながら入れます。

6)生花をアレンジしていきます。初めにユキヤナギを挿し、トライアンギュラーを強調させます。
次にストライブド・トーガ・ナス、ケイトウをグルーピングしながら左側へ生けるようにし、右側のコルクを引き立たせます。
そして、全体の左右バランスを整えるように、色の対比にもなる紫色のトケイソウを右側に生け、2)の小さいサイズと中ぐらいのサイズの素材をアレンジメントの中へ入れて、調和させます。
最後に花器に水を注ぎます。

今回、22番ワイヤを使用しましたが、家にある太さの違う残りワイヤーをリユースしたり、毛糸やラフィアなども、余った素材を利用することによって、素材の表面構造の違いを楽しむことができます。
ぜひ、お試しください。

髙智美乃 KOCHI Mino
NFD本部講師 愛媛県支部
花ファッションデザインチーム
▼ 花ファッショントレンド2025 シーズナルレッスン 受講者募集中 詳細はこちら
