花や植物の美しさを生活空間の中に構成するフラワーアレンジメント作品を、自由に楽しく、空間も含めた新たな造形手段として「フォト作品」に表現することで豊かな表現力を培います。全国各地からの高校生の広域参加により、未来を担うフラワーデザイナーの発掘を目的としています。
今回は全国から12校40名の高校生が参加しました。
| 賞 | タイトル | 学校名 | 氏名 |
| NFD金賞・文部科学大臣賞 | 手から手へつなぐ希望の花 | 愛知県立豊田北高等学校 (3年) | 八木 野の花 |
| NFD金賞・農林水産大臣賞 | 予兆 | 静岡県立田方農業高等学校 (3年) | 林 和花 |
| NFD銀賞 | 桃源郷 | 兵庫県立有馬高等学校 (2年) | 堀家 すずな |
| NFD銀賞 | 燈光の華 | 兵庫県立有馬高等学校 (3年) | 板谷 由菜 |
| NFD銅賞 審査員特別賞・網野文絵賞 | 円華の祈り | 豊川高等学校(愛知県) (1年) | 辻井 沙和 |
| NFD銅賞 審査員特別賞・山成美穂賞 | 瑠璃の木漏れ日 | 倉敷高等学校(岡山県) (1年) | 柿原 琴音 |
| 奨励賞 | 輝花秋景(きかしゅうけい) ~銀杏ちるなり夕日の岡に~ | 兵庫県立有馬高等学校 (3年) | 下林 遥那 |
| 奨励賞 | 創造 | 静岡県立田方農業高等学校 (1年) | 勝又 誓也 |
網野文絵 農業カメラマン
この度、「第20回NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト」の審査員を任命されました。全国の学生さんから寄せられたたくさんの応募とメッセージからコンテントへの本気度が滲みでており、身の引き締まるような思いで選考いたしました。
さて、今回は 「Bloomination ~光り輝く、すべての人に開かれた花の世界~」というテーマでアレンジメント作品を写真に収めていただきました。これはBloom「花開く」とIllumination「光の彩り」を掛け合わせた造語ですが、学生さんそれぞれがこのテーマを噛み砕いて、どのように思いを制作物に落とし込んでいるのかがとても楽しみでした。
選考においては現物を見ながらのリアルな審査とは異なるため、写真という平面的なものから立体的に捉えていく難しさがありました。その一方で、写真だからできる背景の作り方や光の陰影を効果的に用いて【魅せる】工夫も見受けられ、卓越した作品が数多くありました。また金賞の「予兆」のような奥行きあるアレンジメントでは、正面の他に撮影の角度を変えた補助写真があることで、製作者の想いをより感じられる場面もありました。
今回私が作品を選ぶ上で重視していたことは、1. 独創性や表現力があるか、2. 技術面とデザイン性に優れているか、3. 全体の色彩の調和で、花の美しさはもちろんのこと今に向き合い未来への可能性を感じさせるもの、という軸でも審査させていただきました。
金賞の「手から手へつなぐ希望の花」は、掌からこぼれる花の垂れ具合や色鮮やかさに表現力を感じつつ、背景を空にするための撮影の工夫が独特な存在感を生み出しており、作品への情熱が伝わってきました。
銀賞「桃源郷」や「橙光の華」からは、花を光と捉えながら飾りにもデザイン性を感じ、銅賞の「円華の祈り」には被災した地元の花生産者や氾濫した川に対しての安寧の未来を表現したところには胸が熱くなりました。 今回出展された方全ての作品からフラワーデザインへの熱量を魅せられ、正直とても感動しました。今後も自分の気持ちを大事に、興味のあることに情熱を注いで学生生活を歩んでいただきたいと思います。
山成美穂 鎌倉女子大学短期大学部 初等教育学科 准教授
昨年に引き続き、第21回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストの審査員を務めさせて頂きました。再び審査員として皆様の作品と向き合う機会を頂戴しましたことに、心より感謝申し上げます。
第21回のテーマは、「Bloomination ~光り輝く、すべての人に開かれた花の世界~」。人は、誰しもが、自分の人生に花を咲かせたい。花咲く未来を心の中に思い描き、その花々で自分のことも、大切な人のことも幸せで照らしたい。そんな願いを抱いている。―そのようなことを思い出させる大変希望が感じられる素敵なテーマでした。そのテーマにふさわしく、すべての応募作品が、色彩豊かで眩しく、フレッシュな作品ばかりでした。
力の入った数々の作品写真とコンセプト、イメージスケッチを見比べながら、一枚一枚、丁寧に時間をかけて、慎重に審査をいたしました。その際、フラワーデザインとしての完成度や美しさに加え、写真作品としての見栄え、テーマに対する考え方とアプローチの斬新さ、作り手の熱意と創意工夫が感じられるかどうかに着眼して選出させて頂きました。激戦を乗り越えて受賞された皆様、おめでとうございました。
今回金賞を受賞された作品は、前回に続き連続金賞受賞となった八木さんの「手から手へつなぐ希望の花」と林さんの「予兆」でした。こちらは、審査員全員の同意で決定されました。
審査室に並んだ作品群の中でも、特に目を引く輝きが際立った作品でした。八木さんの作品は、花そのものは控えめに扱っているのですが、作品自体の構造的な力強さと写真による空間表現が、その他の作品と一線を画す、デザイン性の魅力に溢れており、結果として、作品を見る者の心の内側に花の世界が広がっていくような余韻を残す、不思議さと巧みさがありました。
また、金賞の林さんと銀賞と銅賞を受賞された5名の作品は、八木さんの作品とは対照的に、花や植物そのものの魅力が全面にうち出され、それぞれの創意工夫に満ちた装置との相性も素晴らしく、洗練された素敵な作品でした。
私の審査員特別賞には、柿原さんの「瑠璃の木漏れ日」を選ばせて頂きました。この作品は、ひと目見た瞬間に、青春への郷愁を誘われ、胸の奥をキュンとさせる独特なきらめきが感じられました。コンセプトを読むと、「ビー玉の光と花の可憐さに青春を重ねた」と書かれており、作者の心と私の心が繋がった喜びを感じさせてくれました。花器に使われた立ち並ぶ試験管、ビー玉、逆光に照らされる花の輝き、ガラスの美しさのハーモニーが美しく、野に咲く花の喜びが光を放っていました。この作品に出会えて、とても嬉しく感じました。
高校生のフラワーデザインコンテストは、花育としての命の尊厳に対する意識を高校生達に高めさせ、未来ある彼らの内面世界の輝きを、フラワーデザインを通じて可視化させることのできる、大変意義深いものだと考えます。長年に渡り継続されているNFDの皆様のご尽力に心からの敬意を込めて、最後にもう一度、今回の審査に参加させて頂いた御礼を述べさせてください。さらなるご発展を願うとともに、またお目にかかれます日を楽しみにしております。ありがとうございました。
鎗田忍 NFDコンテスト審査員
「第21回NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト」の審査をさせていただきありがとうございます。「Bloomination~光り輝く、すべての人に開かれた花の世界~」という今回のテーマを高校生の皆さんがどのように理解し感じ植物を素材に表現されるのか楽しみにしておりました。
審査ではフォト作品と合わせて、コンセプトや制作過程の写真も拝見し、また作品以外の背景やコンセプトに合わせた構成、撮影方法などにも目を向けました。
自然災害により廃業を余儀なくされた農家の方々への無事を願うものや現代社会の様々なものの大変さから、未来に向けた希望、生命の大切さ自由を手に入れた未来に思いを馳せた作品など、高校生らしく未来に向けた作品が多くありました。
「手から手へつなぐ希望の花」の作品は希望の花を繋いでいくというコンセプトで上部から下部の手のひらに流れるように植物を繋いでいく様子が繰り返されると想像できます。晴天の草原での撮影でより明るい未来への希望を感じコンセプトに合わせた表現力、技術力、背景を含めた構成はフォト作品として素晴らしいものと思いました。
「桃源郷」「燈光の花」は背景を黒にして撮影したものですが光の当て方撮影角度が工夫されそれぞれの色彩が黒の背景に合い作品の良さを引き出していました。
「予兆」の作品は枯葉の造形物を覗き込むと奥深くにある花で「開かれた花の世界」へ誘うというものです。制作過程の写真で前後に何層もの土台を作り構成の緻密な奥行きのある作品であることがわかりましたが、完成作品の写真を工夫して少し斜めに写すことなどでより良いものになったと思います。
惜しくも受賞には至らなかった作品にも素晴らしいものがたくさんありました。
コンセプトに合わせた背景を入れることでストーリーをより感じることができる作品や花の姿かたちをよく見て丁寧に作成されたことがわかり、よく勉強し練習されたことでしょう。指導された先生方のご尽力もあり高校生のレベルの高さを感じました。
皆さんは今回の作品を制作する過程で花と向き合い、考え、作ることで得たものは多かったのではないでしょうか。この経験を活かし多くのフラワーデザイナーが誕生することを願います。
[名 称] 第21回 NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト
[主 催] 公益社団法人 日本フラワーデザイナー協会(略称:NFD)
[ 賞 ] 文部科学大臣賞、農林水産大臣賞、NFD金賞、NFD銀賞、NFD銅賞、奨励賞 他
[後援]文化庁、農林水産省、東京都教育委員会
[出展料] 3,300円(税込)
「 Bloomination ~光り輝く、すべての人に開かれた花の世界~」をテーマに主に植物素材で構成され、花器または土台に構成されたアレンジメント作品。
2025年10月1日(水)時点において高等学校(高等専修学校含む)に在籍する者
1.フォト作品はカラーA4サイズの単写真プリント1枚(縦横自由、縁なし、日付なしのもの)でフラワーアレンジメントを正面から撮影したものとする。
2.制作過程の写真2枚(土台1枚、完成作品を別角度で撮影したもの1枚/サイズ自由)。
※ 1~2の合計3枚の写真の裏面に学校名と氏名を明記すること(跡がつくボールペンでの記入は不可)。画像加工は不可(画像加工とは実在のものを消したり、ないものを描いたりしたものや色を変えたもの、コラージュ等の加工を差します。ただし、トリミング、自然な濃度や色味の調整はこれに該当しません)。申込用紙に必要事項を明記し、
1~2 の写真3枚とともに、期日までに送付してください。
2025年7月15日(火)~2025年10月15日(水)必着 →締め切りました
〒108-8585 東京都港区高輪4-5-6
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(略称:NFD)
「第21回NFD全国高校生フラワーデザインコンテスト」係(担当:金野)
Tel. 03-5420-8741 Fax.03-5420-8748
konno@nfd.or.jp
