花とギリシア神話
白幡節子/著 田中希美/挿絵 八坂書房/刊
1992年/発行 222ページ

 今日、「ギリシア神話」として知られる神々と英雄たちの物語の発祥は、紀元前まで遡るそうです。長い年月をかけて語り継がれた物語は、時代や文化と接触するにつれて、内容が変化していったとも言われています。
 本書は、たくさんある物語から植物にまつわる神々や英雄たちの物語を集めたものです。著者によれば悲しい恋の物語、ロマンに満ちた物語、神々や英雄たちの醜い心、美しい心をそのままに映す植物の物語とのこと。読んでみると、意外にも神々の不実さや理不尽さも多く書かれてます。物語はどれも短く、読みやすい内容となっているので、花や植物の写真と見比べながら読んでみるのもおすすめ。物語の最後には花ことばも書かれていて、物語の内容とリンクしているのも、本書の面白さのひとつです。花ことばは春山行夫氏の著書を参考にしたとのこと。NFDライブラリーでは春山氏の書籍も所蔵しているので、併せて読んでみるとより面白さが増すのではないでしょうか。(蔵書番号:0000008)

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