日本髪の世界 髪型と髪飾り
石原哲男/編著 メディア設計/刊
2000年/発行 245ページ

 着物よりもずっと目にすることの少ない日本髪。ですが、昔から女性は髪を結い、華やかな髪飾りを付けていました。そんな日本髪の世界を、本書では古墳時代まで遡り、現代までの日本髪、太夫の髪型を100以上掲載しています。
 日本髪には立場、年齢、身分によっても結える髪型は細かく決められています。地域によって膨らませ方や結う位置が違っており、今の時代からすると、窮屈に感じるかもしれません。毎日ではないにしても、複雑な日本髪を結っていたかと思うと、当時の女性の器用さに驚きます。
 そして、日本髪と切っても切れないのが髪飾り。本書に掲載されている髪飾りは、鼈甲(べっこう)や千鳥模様の櫛と笄(かんざし)など、使われる素材もさまざまで、描かれた模様も植物、花、動物、昆虫など多彩です。年齢が若い場合は赤やピンクの鹿の子を使って、可愛らしい印象な髪型が目立ちます。
 現在の結婚式で和装婚が注目されてきており、日本髪でも簪の代わりに生花をあしらうなど、今回紹介している『着物ヘアメイクの発想』にあるように、現代風に結い上げた髪に花飾りを付けています。本書の日本髪と見比べながら、日本の文化を振り返ってみてはいかがでしょうか。(蔵書番号:0000892)

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