実際園芸 ※閲覧のみ
誠文堂新光社/刊  155冊所蔵

 NFDライブラリーでは、昭和初期に発刊された「実際園芸」という雑誌を所蔵しています。この雑誌は、現在毎月刊行されている「農耕と園芸」の前身に当たります。昭和16年に一度休刊となったこの雑誌は、昭和21年に「農耕と園芸」と改題され再創刊されました。
 「実際園芸」ではカラーの写真こそ少ないものの、主幹の石井勇義氏をはじめとして、多種多様な原稿が多く掲載されています。また、目次や内容もそれぞれの号によってバラエティ豊か。たとえば優れたダリヤの作り方、葡萄の害虫、世界の極楽郷ハワイ群島の植物を観る、科学的に見たリンゴの話、西洋草花の新しい品種、睡蓮の冬越し法など。その中でも、海外の花や植物事情を取り上げた記事も目立ちます。なかを見ればサボテンをシャボテンと書いてあったり、ルビや漢字がいまとは少し違っているのも時代の移り変わりを思わせるところ。時には花や園芸とは直接関係のない、その時代の歴史を思わせる記事もあり、読んでいるとつい時間を忘れます。
 長きにわたり愛されてきた花や園芸が、どのような試行錯誤の中で変遷してきたのかを知ることができる貴重な図書です。貸出はしていませんが、閲覧可能です。冊数が多く、すべてを一度に読むのは難しいですが、花ファッションハウスへお越しの際は、ぜひ手に取ってみてください。

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