日本フラワーデザイン大賞2012
特別企画インタビュー
グラフィックデザイナー/前田省吾さん
2012年2月24日(金)〜26日(日)、
パシフィコ横浜で開催される「日本フラワーデザイン大賞2012」。
このポスターデザインを手がける前田省吾さんに話をうかがいました。
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前田省吾さん |
9月30日(金)に応募締め切りとなった「日本フラワーデザイン大賞2012」。
今年も705名もの方々から応募いただきました。
11月中旬に、デザイン画による一次審査の結果が書面で通知されます。ドキドキわくわく、緊張の日々が続いている方も多いことでしょう。
2012年2月24日(金)〜26日(日)、パシフィコ横浜で開催される「日本フラワーデザイン大賞2012」のポスターデザインを手がけるメタ・マニエラの前田省吾さんも同じ気持ちだったかもしれません。昨年に引き続き、メタ・マニエラの社員40数名によるコンペを行い、30点あまりにもなるデザイン案を社長である大賀匠津さんがチェックし、NFDへ提出。1か月あまりの期間を要し、前田さんのポスターデザインが選ばれました。
「2009年のポスターデザインを手がけた田村朋子から4年続けて全員参加によるコンペ形式をとりました。過去にこのイベントのポスターデザインを手がけたデザイナーはひと皮むけたように、社内で活躍しています」と語る大賀さん。日本フラワーデザイン大賞がフラワーデザイナーの登竜門であるように、このイベントを飾るグラフィックデザインの世界にも影響を与えているようです。
前田さんは、メタ・マニエラに入社する前はまったく畑違いのハードウェアなどをつくる会社に在籍していたそうです。しかし、自分に与えられた仕事をひたすらこなせばよいという作業に興味を失ったといいます。
「グラフィックデザインには以前から興味があり、趣味の範囲で身の回りのものをデザインしていました。ちょうど前の会社を辞めようかと悩んでいたときに、知り合いのグラフィックデザイナーに背中を押されてメタ・マニエラの面接を受け、採用されました」
タイミングがよかった、と話す前田さんですが、大賀さんのほうもデザイン一辺倒の人だけでなく、新たな人材を確保したいという考えがあったのかもしれません。
現在、前田さんは一般紙のほかに、航空会社や通信事業関連の会社の冊子などを制作しています。
「グラフィックデザインはまずクライアントあってこそ。クライアントが何を望んでいるか、できるだけ噛み砕いて飲み込んでそれを形にします。大事なのはクライアントの意図。そのうえで自分はこうしたいという味つけをする、それが私の信条です」
クライアントが持っているイメージを考えながら、何を言おうとしているかがわかると自分のイメージも広がり、仕上がりが早いといいます。では、今回の「日本フラワーデザイン大賞2012」のポスターデザインは、どのようにしてできあがったのでしょう。
「今年3月11日に起きた東日本大震災。震災の復興というキーワードをNFDさんよりいただきました。そこで、困難に立ち向かってほしいという願いを込めてデザインを考えました。たくさんの花や葉、茎でにぎやかに見せるのではなく、あえて1本にしたのは力強く立ち上がるという思いを前面に出したかったからです。具体的な花のイメージにせず、抽象的でシンプルな配色で花をつくりました」
と、前田さん。
クライアントの意向を踏まえ、自分のイメージを形づくる。ふらっと書店に行っては雑誌などを眺めつつ、頭の中で足したり、引いたりしながら煮詰めていったといいます。
「日本フラワーデザイン大賞のように数年にわたってデザインを担当すると、相手のイメージに合わせやすくなってきます。一から始めなければならないものなら、自分をどれだけ出していくかという話しになりますので、メタ・マニエラに強い傾向として、スタイリッシュで無駄を省いたソリッドなデザインになります。NFDの理解が深まってからは、グラデーションを使ったり、色をやわらかいものにしていますね。
この数年で花に興味を持つ社員は増えたと思います。花だけではありませんが、外界にあるすべてのものに対して自分がどう感じるか、それが断絶されてしまうと表現そのものができなくなってしまいます。今まで立ち止まらなかったところで立ち止まるようになる。デザイナーとして感性を磨くことは不可欠なことだと考えます」
と語る大賀さん。クライアントの意向を踏まえたデザインをするのは当然のことだが、デザイナーとしての幅を広げることの大切さ。それはすべてのデザイナーに通じる言葉に思われます。
「まだまだ修行中の身である自分と戒めています。もっと喜ばれるデザインができるようになりたい」と話す前田さん。大賀さんの言葉は前田さんへエールを送っているように聞こえました。
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