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Vol.9 見たい・知りたい・使いたい!【ラナンキュラス】


 

「ラナンキュラス」とは「小さなカエル」の意味。その原種がカエルがいそうな湿地帯に自生していること、またラナンの葉がカエルの足に似ていることからこの名が付いたのだそう。その「小さなカエル」から始まった育種の歴史は、今や400年以上。たった5枚だった花弁はあっという間に200枚を超えるまでに進化を遂げ、春を象徴する豪華な花に。写真は“オルレアン”。フランスの都市名から名付けられた。

フラワーデザイナーの視点

幾重にも重なる花びらが、ロマンティックな雰囲気をかもし出しています。ラナンキュラスの茎は空洞になっています。そのまま使えば真っ直ぐな茎も、ワイヤを入れれば自由自在。花を使い愛らしいブーケもすてきですが、ひと工夫しても楽しい作品になります。遊び心たっぷりのデザインで見る人を笑顔にしてみては。

花市場の視点

欧風のフラワーデザインが主流になって以来、ラインフラワーに代わりフェイスの大きなマスフラワーが人気。ラナンキュラスもこの潮流に乗り、 ここ7、8年で一気にスターダムにのし上がった品目の一つ。弱かった花首も強化され大輪化を実現。昔は切り前も固く、ツボミの輪径3、4cmほどの控えめな花だったのに、デザイナーたちがその満開の美しさを知ってからというもの、同時期に流通するチューリップを押しのけ市場を席巻している。

植物学の視点

不思議な名は、学名Ranunculusによる。カエルranaからきた語で意味はミニ蛙。この仲間の野生種がカエルの棲む水辺に多いことに因む。日本のウマノアシガタやキンポウゲがこの仲間。写真の、バラの花を思わせる八重咲き品種は、多数ある雄しべと雌しべの花弁化による。

記/大場秀章(植物学者)


制作協力/大田花き花の生活研究所