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Vol.8 見たい・知りたい・使いたい!【パンジー】


 

写真のムーランルージュは、世界最古の種苗会社ファーメン(伊・ナポリ)の社長で、イタリア貴族のレナート・ファラオネ・メンネーラ男爵が育種したことから、「貴族のパンジー」とも言われる。すべての枝が違う花を付けるよう育種したこだわりの逸品。この一族は、宝飾品のカメオの生みの親でもある。半径50km以内に4つの世界遺産を擁ようする歴史と文化の都市ナポリ。この地に誕生したムーランルージュは貴族の気品と優雅さを漂わせる。

フラワーデザイナーの視点

ムーランルージュの魅力は、なんといってもそのフリルと色合い。通常のパンジーより茎が長く、切り花にしても花持ちが良いのでムーランルージュだけのブーケにしてみては。春を感じる華やかな花のパワーをもらって、寒い季節を元気に過ごしましょう。

花市場の視点

鉢物商材や花壇苗が切り花マーケットに転向してヒットすることはたまにあるが、輪が小さく、丈も短いパンジーが切り花として受け入れられると誰が想像しただろうか。しかし、このフリル感と豊富な花色は、今の切り花マーケットの需要に見事に合致した逸材といえる。寒い冬でも人の気持ちを幸せにしてくれるこの雰囲気が受け入れ られるのに、“切り”も“鉢”もないのかもしれない。

植物学の視点

英語由来のパンジーの語は、フランス語の「考える」を意味するパンセから派生した。スミレの仲間、スミレ属Violaには約450の野生種があり、パンジーはサンシキスミレと他種との交配でつくられた。横咲きの5弁花で、下側の花弁を唇弁と呼ぶ。

記/大場秀章(植物学者)


制作協力/大田花き花の生活研究所