Flower Buzz Vol.5


Vol.5 見たい・知りたい・使いたい!【ケイトウ】


Vol.5 【ケイトウ】

かつて盆花としての用途がメインだったケイトウだが、国の内外を問わず盛んに育種が進んだ結果、華道家が秋の花展などで大胆に多用し、一気にその存在感を増した。昨今では外資系ホテルの建設ラッシュも追い風となり、洋花としても豪華に空間を彩る。もはや秋の象徴として市場の代表選手に躍進した。

フラワーデザイナーの視点

上から見ると、そのビロードのような質感とフリルの表情が、秋冬のアレンジメントに華を添える。横から見てみると、一転して、「鶏頭」というその名のとおり、鶏の鶏冠に似たフォルムと、ブツブツとした質感がなんともユニーク。そんな「ケイトウ」の横顔からインスピーレーションを受けて、中央に「ケイトウ」の「鶏頭」たる表情を前面にアピールし、アンスリウム、ピンクッションなどを使い、アジアンテイストの花束にしてみては。

花市場の視点

大輪にするには、密植を避け時間をかけてゆっくり栽培するのがコツ。こちらの品種は“バルボッサ”。オランダで育種されたものが近年パテント付きで日本に上陸。流通数量も限られている。ケイトウにしては珍しい複色で、茎も細く立ち姿も美しい。花のように見える色付きの部分は、茎が変形したもの。花はその下の扁平な部分に付いている鈴なり状のもの。出荷される頃には種子が実っている。
記/大田花き花の生活研究所

植物学の視点

ケイトウは、名前のごとく、花序の形や色が鶏頭(鶏冠)にそっくりだ。その仲間、ケイトウ属はヒユ科に分類され、65種あり、アメリカとアフリカに分布する。ケイトウ(学名Celosia cristata)はノゲイトウなどから作出された観賞用の栽培種である。花序の形状と色合いなどが異なるトサカゲイトウ、クルメゲイトウなど数多くの品種系統がある。
記/大場秀章(植物学者)