Flower Buzz Vol.29


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Vol.29 見たい・知りたい・使いたい!【ラナンキュラス】

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年々目を見張るほどの進化を遂げるラナンキュラス。最新の注目品種はラックスシリーズ。

 

ワックスを塗ったようなエナメル質の花弁が特徴。ラナンキュラス+ワックスでラックス。またラテン語で「ラックス」とは「光」を意味するのだが、それはまったく偶然という育種家の草野氏(宮崎県)。

 

写真の品種はアリアドネ。その他ディオネ、アルテミスなどラックスシリーズはギリシャ神話の女神の名前にちなむ。

 

フラワーデザイナーの視点

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フラワーショップの店先をのぞくとチューリップ、スイートピー、ミモザ、ナノハナ、ポピー、アネモネ、ラナンキュラスとすっかり春爛漫。

 

そんな中で……「あれ?これはなんの花? ええっラナンキュラス!! こんなの初めて」。ラナンキュラスは多色で、大輪のものもありますが、スプレー咲きで光沢のあるラナンキュラスは珍しいですね。

 

2月のウルズラ・ヴェゲナー先生の講習会の花材にも登場していた、「ラナンキュラスラックスシリーズ」。受講された方々は、デモを見ながら「あれなんの花??」とささやき合っていました。その後、「ラックスシリーズ」を手にとってご覧になりましたか?

 

光沢がありロマンティックなイメージですが使ってみると中輪なのに個性的で頑固な印象です。さあどのようにお料理しましょうか。のびやかに植生的にいけても良し、「絵のような」のデザインの多種多色の花に混ぜて少量使ってみるのもいいでしょう。

またその逆でラナンキュラス1種だけのデザインも考えられますね。

 

「アリアドネ」の人工物のような不思議さを生かして、アルミワイヤ、スワロフスキーなどを加えて超デコラな作品も楽しいのではないでしょうか。春爛漫の季節、皆さんはどのように「アリアドネ」をデザインに取り入れられますか。

 

花市場の視点

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多弁でゴージャスに進化を遂げたラナンキュラスだが、今度は花弁が少なく、野に咲くような自然なタイプが注目されている。

 

従来の潮流とは逆行する。ラックスシリーズは中輪サイズのスプレータイプでシングルとセミダブルがある。新しい品種ながら、中世ヨーロッパの絵画に描かれているようなアンティーク感をも帯びる。

 

 

 

植物学の視点

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名称はウマノアシガタ属の学名Ranunculusを英語読みにしたものである。

 

学名の頭にくるranaとは蛙をいい、語は小さな蛙を意味する。蛙が好む水辺にこの仲間の野生種が多く生えていることから名付けられたのだろう。野生種は多数の雄しべをもち、それを花弁化し八重咲き花が生まれた。アネモネの仲間のものにも似るが、花型はカップ状である。

 

園芸品には野生種にそなわっていた野趣がまったくといっていいほど消えうせている。

 

 

記/大場秀章(植物学者)

 


 

制作協力/大田花き花の生活研究所