Flower Buzz Vol.25


Vol.25 見たい・知りたい・使いたい!【ダリア】

 

日本が世界に誇るダリア育種家・鷲澤幸治氏は、世界を股にかける航海士だったが、育種家に身を転じて生み出した品種は星の数ほど。黒蝶をはじめ日本に流通する品種の80%近くは鷲澤氏によるもの。

 

ダリアの歴史を紐解けば、昔フランスや英国でダリアブームが到来。ダリアの花壇が約12,000ポンド(約200万円)で取り引きされたり、ダリア1本がダイヤモンド1粒と等価交換されたりすることすらあったという。彼らが今、日本の多彩なダリアを見たらどれほど驚嘆することだろう。

フラワーデザイナーの視点

蝉の声がいつの間にか聞こえなくなり、秋の虫が鳴き出しました。

 

9月の祝日と言えば、敬老の日。ダリア「ビューティフルデイズ」は、見ても言葉に出してもかわいい感じのするダリアです。このかわいらしいダリアをおじいさん、おばあさんに「ありがとう」の気持ちを込めて届けてみませんか。

 

ピンクと白が混じったダリアに、花店にそろそろ並ぶ秋の花々を合わせてみましょう。私ならシュウメイギク、コスモス、ノバラ、ススキ、ナデシコ、ミヤマリンドウ、ミニローズなど多種類の花と散歩で収穫をした雑草を合わせ、秋の里山をイメージしてアレンジします。皆さんはどのようなイメージで作られますか。

 

敬老の日に、いつまでも笑顔で元気でいて欲しいという願いを込めて!

 

花市場の視点

新品種はどのように選ばれるのか。毎年生まれる数多の品種の中から、花市場と生産者とが潮流を加味し、共同で選抜を行う。

 

さらに、小売店や実需者(※)にも総選挙などの形でアンケートを行い、人気品種を絞り込む。最近人気の中心は、大 輪デコラティブ咲きから中輪フォーマルデコラ咲きに推移。ビューティフルデイズは2014年デビューしたばかりの新品種。中 輪デコラ咲き、複色、ピンクという人気の特徴を捉えている。

 

※生産者から仕入れた商品を消費者に提供する業者。

 

植物学の視点

ダリアは新大陸産のキク科植物。

命名者はスペインのカバニジェスである。花卉としての出発点になったのはメキシコ産の2倍体種コクシネア種、4倍体種のピンナタ種で、その交配株の作出が大きな遺伝的変異性をもたらした。ダリアが揺るぎない世界屈指の園芸植物になったのは1830年から40年代の狂騒時代を経てのことだった。

 

原種からは想像さえ難しい多数の花型が誕生したことが大きい。“ビューティフルディズ”など、5千を超す栽培品種が作出されている。

 

記/大場秀章(植物学者)

 


制作協力/大田花き花の生活研究所