Flower Buzz Vol.23


Vol.23 見たい・知りたい・使いたい!【ジグザグカクタス】

ジグザグカクタス

 

1946年にメキシコ南部で発見されたばかりの新しい植物。命名は1950年。学名のCryptocereus(クリプトセレウス)とは「隠れたサボテン」の意味。以前から調査されていた地域に生息しながら、長い間発見されなかったことからこのよう名前がついた。

英名をフィッシュボーンカクタス。言われてみれば魚の骨のようにも見える。芯は意外と柔らかいので、柔軟に使える。

フラワーデザイナーの視点

ジグザグカクタス 0003

暑い夏にぴったりのグリーン、名前の通りジグザグとしたのこぎり歯のような形体、オブジェのようなデザインにぴったりな花材ですね。

 

月刊『フラワーデザイナー』誌7月号の表紙から、このジグザグ模様をいかして夏の壁掛けを考えてみました。ジグザグカクタスの不思議なラインを組み合わせ、そこに多肉植物やサボテンを配置してみては如何でしょうか。

 

切り口や根の部分に水苔を巻くと持ちが良くなります。水苔を隠すのであればウズラや玉子の殻を器にしてもさらにデザイン性が高まります。

 

また、ガラスチューブを使ってジグザグカクタスの面の上にテッセンなど涼しげな夏の草花を合わせてみたり、ジグザグカクタスを海藻に見立てて貝殻を組み合わせてみたら夏らしい表情になります。ジグザグカクタスをベースに変化をつけて楽しみましょう。

 

 

花市場の視点

ジグザグカクタス 00032日本の花きマーケットへもここ数年でタイ王国から出荷されるようになった新しい品種。植物造形として他に類を見ない独特な形。

 

左右に伸びた葉の根元に小さなトゲがあるので、取扱いには注意する。「ジグザグの木」というと観葉植物にもいくつかあるため、注文の際はジグザグサボテンであることを確認するとよい。水揚げの必要はないが、切り口は水に浸けておく。

 

 

 

植物学の視点

ジグザグカクタス 0002

サボテンらしからぬ扁平な茎をもつ。種形容語の開花に成功したH.アンソニーに献名し、アレクザンダーはCryptocereus anthonyanusと名づけた。

 

D.ハントは花の特徴から本種を「夜の女王」や「大輪柱」と同じセレニケレウス属の種だとし、Selenicereus anthonyanusの学名を提唱した。現在も専門家の意見は分かれる。サボテンの外形は生育環境が左右する。花の特徴による後者の見解が支持を広げている。

 

記/大場秀章(植物学者)

 


 

制作協力/大田花き花の生活研究所