Flower Buzz Vol.18


Vol.18 見たい・知りたい・使いたい!【スイートピー】

「赤いスイートピー」のリリースは1982年1月21日。しかし、当時の赤は濃いピンクやレンガ色のような色目で、ストライクの赤ではなかった。この時、”赤いスイートピー”はイメージの花に過ぎなかったのである。しかし、80年代の品質保持技術の革新と、松田聖子ちゃんが清純なかわいらしい表情でスイートピーを歌ってくれたことにより、品種改良にも拍車がかかり、私たちが思い描くような、目にも鮮やかな赤いスイートピーに出会えるようになった。

聖子ちゃん、ありがとう!

フラワーデザイナーの視点

新春号の月刊『フラワーデザイナー』ではスイトピーのテクスチャーやキャラクターについて触れました。その意味合いから考えるとそのスイトピーは淡いピンクや淡い紫系を想像します。しかしながら、“スカーレット”は赤い色、この赤には少し強さを感じるのは私だけでしょうか。

 

松田聖子さんが歌う「赤いスイトピー」には“私をつれていって”という強い思いと当時の可憐な愛くるしい表情に“赤いスイトピー”という想像上のタイトルをつけたように思ってしまいます。

 

そのヒットで本当に“赤いスイトピー”が誕生したこともうなずけますね。そこで、新たな年の始めに何事にも強い気持ちと時には優しくという願いを込めて、中心に2~30本のスカーレットをパラレルにして、その周りを若松で囲み、水引で束ねるアレンジはいかがでしょうか。スクエアーでも円形でもいいですね。カラーワイヤ、スケルトン、ビーズなどでちょうちょを作って、スイトピーのヒラヒラ感をリピートして若松の林の中に飛び立たせてあげるのもいいかもしれません。

今年も幸せで良い年となれますように。

 

花市場の視点

以前は花持ちも悪く、消費地近県からの出荷に限られていたが、80年代後半にSTS剤という花持ち改善の秘薬が開発され、流通途中で落花してしまうこともなくなった。結果消費地から遠い山地からも輸送できるようになり、宮崎や岡山など全国的大産地も誕生した。さらには他にはないかわいらしい花形が流行り、消費が確保できるようになると、画期的な生産拡大を見ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

植物学の視点

マメ科の1年草。学名Lathyrusodoratus。スイートピーは5つの花弁がチョウに似た蝶形花をつくる。エンドウに似た莢がなるが、豆は食べると神経障害を起こす。

地中海原産で、シシリー島の修道士クパニが1695年に同島で発見したといわれる。17世紀には観賞目的の栽培が始まった。今日までパステル調の青、ピンク、赤など様々な色調の栽培品種がつくられ、ないのは黄色だけといわれてきたが、最近黄色の色素をもつ種との交配が成功し、黄花株の登場が待たれている。”スカーレット”は鮮やかで人気の栽培品種である。

記/大場秀章(植物学者)

 


 

制作協力/大田花き花の生活研究所