Flower Buzz Vol.17


Vol.17 見たい・知りたい・使いたい!【カーネーション】

別名「オランダ石竹(せきちく)」。石竹とは日本に昔から自生するナデシコのこと。江戸時代、同じ科の花がオランダから紹介され、オランダ石竹と呼ばれるようになった。明治時代に営利生産が始まって以来、日本におけるカーネーションの生産の歴史は100年以上。昭和40年代に訪れた技術革新と洋花ブームとが相まって、バラ・キク・カーネといわれる三大人気品目に成長した。

フラワーデザイナーの視点

カーネーションは古くからあり誰でもが知っているポピュラーな花で、

日本では母の日に感謝をこめて贈る習慣があります。

身近にある花のためカジュアルなイメージがありますが、近年は微妙な色合いのものが豊富に出回り、バラのように多色になり、その中でもバルバトロスは複色で大人っぽい色合いです。

1輪挿しでも勿論楽しめますが、さほど高価ではないので、久しぶりにカーネーションの茎や葉を生かした1種類1色での豊かなアレンジをなさってみてはいかがでしょう・・・

モダンにもエレガントにもデザインの展開ができるのではないでしょうか。

あるいは濃い色合いの花達、例えばバルバトロス、黒っぽい赤バラ、青紫系トルコ、ヒぺリカム、チョコレートコスモス、ダスティーミラー、ファーガスなどを使って秋色クラッチブーケを作ってみては。プレゼントしたらきっと喜ばれることでしょう。

 

花市場の視点

花付き良好、スプレーながら花の高さがそろった秀逸な品種。フローラルスパイシーの芳香付きで、色・形・香りの三拍子そろった非の打ちどころのないバルバドスは、花市場からのイチオシ品種。カーネーションは、コロンビアや中国、ケニアなどでも大量生産されているが、バルバドスも含め、多くの品種はイタリアのサンレモで開発されている。「すべての道はローマに通じる」ならぬ「あらゆるカーネーションはサンレモに通じる」といえるかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

植物学の視点

ナデシコ科の多年草で対生する線形の葉をもち、花弁を除いて全体が白味をおびる。ボッティチェリの名作<春>は花の女神フローラがカーネーションを描いた衣服をまとう。カーネーションが生まれたのも<春>が制作された1482年頃だと推測されている。花の中に花ができる貫生や花弁の重複が重なり合う多数の花弁をもつ八重咲き花を生む。大輪が好まれる園芸だが、中輪でスプレー咲きの栽培品種バルバドスの人気は、花弁周縁の白の縁取りとの彩りの対比の鮮やかさによっていよう。

記/大場秀章(植物学者)

 


 

制作協力/大田花き花の生活研究所