Flower Buzz Vol.16


 

Vol.16 見たい・知りたい・使いたい!【キク】

江戸時代から大切に受け継がれてきた伝統のキクを元に、現代の園芸品種をかけ合わせ、クラシックマムという新しいキクのカテゴリーを創出した。仏花一辺倒の輪ギクのイメージを払拭し、おしゃれで高級感あふれる品種が次々と誕生している。他に類を見ない花持ちの良さと品種の豊富さとで、将来性は無限に広がる。

フラワーデザイナーの視点

11月のフラワーデザイナー月刊誌ではこの“クラシックココア”の姿・形からの印象を受け、金屏風をバックにお祝いの席のアレンジの作品を想像していただきましたが、ここでは花びらからのインスプレーションで、フローラル・アクセサリーとして、ショルダーコサージはいかがでしょうか。

ワインレッド系、グリーンもの等花材を集め、肩に乗るように土台を作り、クラシックココアのくるっとした花びらの先端を生かし、細い飾りワイヤーで花びらをチェーンにして、あたかも羽が舞っているようにあしらえば、リズミカルで優美さも加わるでしょう。

また、この花びらの表裏の濃淡あるいは花びらの大小を集合させて、フローラル・コラージュの作品はできないでしょうか。渦をまいていくのか、凹凸をつけるのか、クラシックココア一種で考えるのも楽しいですし、また他の素材と組み合わせても面白いものができるかもしれませんね。

一つの花からアイディアは無限に広がっていくでしょう。皆さまはどんなしつらえで楽しみますか。秋も深まり行く夜長に想像を膨らませてみてはいかがでしょうか。

花市場の視点

愛知県赤羽根町の根木和之氏が作出したクラシックマムというカテゴリーを象徴する品種ココア。クラシックマムは暖地の渥美半島と高冷地の岐阜県飛騨地方とでリレー栽培し、出荷時期を拡大している。秋のファッションを楽しむように、この時期のココアを楽しみたい。

 

植物学の視点

キクはキク属Chrysanthemumに分類される。この属名の末尾3文字をとり最近ではキクのことをMum(マム)と呼ぶことも多い。キクの仲間で一般に花と呼ばれるのは、多数の花が密集したもの[花序]であり、頭花と呼ぶ。キクは基本的には舌状花と管状花という2種類の花をつくるが、両方の花を具えるものだけでなく、ほとんど管状花だけの頭花からなるものもある。大輪でほとんどが管状花からなり、中心部が盛り上がるものを厚物という。厚物は古くからある栽培型のひとつで、ココアはこの花型を持つ。

記/大場秀章(植物学者)

 


 

制作協力/大田花き花の生活研究所