Flower Buzz Vol.11


Vol.11 見たい・知りたい・使いたい!【シャクヤク】


 

シャクヤクで最も流通量が多い代表選手サラ・ベルナール、略してサラベル。フランスの舞台女優の名にちなんで命名された。品種誕生から100年以上経った現在においてもなお、市場では不動の人気を誇る。シャクヤクは別名“Rose of May”(5月のバラ)としてヨーロッパで親しまれるように、その豪華な存在感はいつも主役級。

フラワーデザイナーの視点

大輪に咲き誇るシャクヤクは、高貴で華やか。どこかオリエンタルな雰囲気漂うアジアンビューティー。少し濃いピンクと白を短く切って、伝統的な和食器にぎゅっと挿して記念日の食卓を飾りましょう。特別なひとときを、シャクヤクで優雅に演出。シャクヤクを見ると、その日の楽しい時間がよみがえる、そんなフラワーデザインはいかがでしょうか。

花市場の視点

市場では、4月中旬から一気に増え始め、5月下旬から6月上旬にかけてピークとなる。国産の流通がないときは、ニュージーランドやオランダ、チリなどから輸入品が入ってくるが、年間流通量の1~2%程度。単価が3~4倍に跳ね上がることもある。中国では別名「将しょうり離」といい、離別の花と敬遠されてきたが、日本では「顔かおよぐさ佳草」とも呼ばれ、昨今の大輪八重ブームにのり、ブライダルでも多用される。

植物学の視点

東アジアに分布し、中国では薬草、後に観賞用に栽培され、八重咲き品が生まれた。日本には室町(平安説もある)時代に伝わった。多様な花型をもち、普通、翁咲き、てまり咲き、バラ咲きなど8つのタイプに大別される。サラ・ベルナールは半バラ咲きを代表する名花である。ボタンに近縁で雑種も作出されている。

記/大場秀章(植物学者)

 


制作協力/大田花き花の生活研究所