花ファッションデザイン通信 vol.10

 

  

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Vol.10 2015 Spring

「ふるさと松山の建築美をたずねて ~大正ロマンから現代への小旅行~ 」

 

2015年花ファッショントレンドは「DIALOGUES(対話)~花と花~」です。 今回は新しいデザインへ繋がるヒントを見つけるために建築物に視点を注ぎ、「日本人の持つ美意識」を意識しながら散策してみました。

 

久々に晴れた冬の日・・・ 澄みわたる青空のもと白い息を吐きながら、松山城の麓の森の中に静かにたたずんでいる萬翠荘(ばんすいそう)を訪ねました。

 

松山といえば、道後温泉・松山城・坊ちゃん電車など「いで湯と文学と城のまち」としてよく知られていますがここはまさしく隠れ家的存在。。。

 

萬翠荘 ミュージアムからの眺め

『萬(よろず) 翠(みどり) 荘(やかた)』

 

一歩敷地の中に足を踏み入れるとそこは町の中心とは思えないくらいゆったりと穏やかな空間が流れています。 洗練されたフランス・ルネッサンス様式の建物に、ここが日本であることを忘れてしまいそうです。

 

この趣のある西洋建築(国の重要文化財)は1922(大正11)年に旧松山藩主の子孫 久松定謨(ひさまつさだこと)伯爵の別邸としてつくられました。

 

 

 

ボランティアガイドさんのお話をうかがうと、この建物は「日本人の持つ美意識」がさりげなくいろいろな場面に取り入れられているそうです。 そのいくつかをほんの少しご紹介します。

 

萬翠荘 模型

 

①西洋建築の多くは左右対称なのにこの建物は日本独特の美意識を取り入れて左右非対称で構成されていること。
②屋根の避雷針の先には、松山藩の大判小判を加工して施していること。
③通気口の模様は 久松家の家紋 『梅』の模様であること。
④屋根瓦は、宮城県石巻の「雄勝石(おかちいし)」で作られていて、先日100周年を迎えた 東京駅と同じものが使われていること。など・・・・

一見しただけでは知りようもなかった細部にわたるお話をたくさんお裾分けしていただきました。

 

萬翠荘 通気口

萬翠荘 階段 萬翠荘廊下 天然水晶シャンデリア

 

 

 

 

 

 

 

 

大正ロマンの建築美に浸りながら、すっかり寒さを忘れて坂道を下っていくと今度はがらりと時代を越えてモダンな建物が見えてきます。

 

坂之上の雲ミュージアム

目の前に現れたのは 司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」がテーマとなった「坂の上の雲ミュージアム」です。

 

近代国家形成への時代の変換期、未来へと高い志を持った先人たちの時の流れを感じることができる資料館です。

 

平成18年に完成した安藤忠雄氏によるコンクリート建築は まさしく最先端を感じるモダンな佇まい。シャープな外観に思わず息をのみます。 坂を数分下るだけでこんなにも時空を超えた感覚に陥るものなのか・・・と 「たてもの」の面白さに改めて魅了されました。

 

 空中階段 安藤忠雄 建物

 

 

 

 

外光を取り入れるガラスの壁面・『空中階段』など、どこを切り取っても 随所に「いま」という時代を感じられる空間でした。

 

自然の中に溶け込む西洋建築。 コンクリートのエッジが際立つ現代建築。 古いもの新しいものともにそれぞれの魅力に心を動かされました。

 

 

 

空間における美の表現方法は、まったく違うものですが フラワーデザインに置き換えてみると、そこにはさまざまなヒントが隠されているような気がします。

 

自分自身と「対話 -DIALOGUES-」しながらデザインのすばらしさ・面白さを感じることができた日常から非日常へのとても贅沢な数時間の小旅行でした。

 

 

 

 

REPORTER

竹村 結花 

Yuika TAKEMURA

NFD本部講師 愛媛県支部

花ファッションデザインチーム