Flower Display 〜フラワーデザインの挑戦〜 Vol.7



Vol.7 晴れの日を彩る和の空間
~万代を契る竹と金糸の帯~


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Challenge!! Display

1 テーマ
あでやかな金糸で縫われた帯を引き立てるフラワーデザイン

晴れの日の装いといえば、やはりきもの。このきものを止めるために体にまく道具が帯です。今回はこのきものに華やかなアクセントを添える帯がテーマになります。ふだんは主役としてのきものを引き立てる名脇役をディスプレイしてみます。


2 ディスプレイアイテムの特徴を捉える

きものを着るにはなくてはならない帯。ディスプレイする帯は、幅約30cm、長さ約4mの袋帯で、金糸で縫われた表面にはさまざまな図柄が施され、和の華やかさが感じられます。この帯の色、醸し出す雰囲気を失わずにディスプレイしなければなりません。フラワーデザイナーはどのようなデザインを考えるのでしょうか。


3 テーマvsフラワーデザイナー

今回、帯をディスプレイするフラワーデザイナーは竹村結花本部講師。

 

女性の腰元を飾る、晴れの日にふさわしい金糸の帯。その華やかさと和の雰囲気を損なわないような演出をします。新春の冴えた緊張感に包まれつつ、新たな年のスタートラインに心躍らせる。そんな空間がつくり出せればと考えます。

 

そして今回ディスプレイする帯は、私が成人式を迎えるときに黒い絞りの振袖とともに母に選んでももらったもの。普段着る機会があまりないきものですが、結納の時や、節目節目の大切な時に私を引き立ててくれたような気がします。だからこの帯は、私にとってとても大切なものの1つです。今回は、その帯を「花で引き立てる」機会をいただき、帯に恩返しするような気持ちでデザインを考えました。娘時代の若かった頃には言えなかった、母への感謝の気持ちを添えて。

長谷川典子

デザイナー・プロフィール

竹村結花 Yuika TAKEMURA

 

本部講師 愛媛県支部
花ファッションデザインチーム

 

4 ディスプレイデザイナーとのコラボ

フラワーデザイナーが考えたデザイン案をプロのディスプレイデザイナーと融合させる。花の視点とアイテムの視点が限られた空間の中で開花します。

 

数日後、竹村先生からデザイン画が届きました。
それは、新春の庭をイメージしたデザインでした。

 

 

 

ここでプロのディスプレイデザイナーのアドバイスをプラス。

 

山田さんデザイン画

(クリックで拡大)

5 制作上のポイント

主役である帯を引き立てるため、素材の種類と色を最小限に抑えます。左右のパネルには、和モダンな障子紙を貼って景観の奥行きが感じられるように、また帯を中心に竹や寒石、苔などを配置し和の雰囲気を演出します。

STEP1

側面に和モダンな雰囲気の障子紙を貼ります。


STEP2

空間にゆとりを持たせるように帯を配置し、
緩やかな曲線をつくる。


STEP3

竹と、空間に合う白い石を帯の対角線上にセットする。


STEP4

帯の周辺に寒石(白い小石)を配し、竹に飾りをつける。


STEP5

竹の周辺に苔をあしらい、椿を添えて完成。


 

 

 

 

6 デザインメッセージ

デザインメッセージ

華やかな金糸の帯を引き立てるため、動きのある素材はあえて避け、まっすぐな直線の竹と、一輪の椿により新春の寒い冬のきりっとした空気感が想像できるような庭をイメージしたディスプレイを制作しました。

 

デザインメッセージ


7 ディスプレイデザイナーの視点
~監修いただいたディスプレイデザイナーの山田祐照氏からのコメント~

「振り袖帯」をテーマに新春を迎える空間の創出でした。思いのある帯をテーマに華やかではあるが、凛とした空間を表現するというプランをいただきました。竹村さんからのデザイン画では、緊張感のある空間にするため、あえて竹と帯を対比し直線で表現をしていました。しかし、主役となる帯の持つ魅力を生かすには、帯の持つ柔らかな表現に対比させるほうが良いとアドバイスをさせていただきました。竹の配置、生けられた花々は縦に流れる視線を醸し出し帯の流れへと誘導していきます。アクセントとなる椿は、帯の視線の先にあることで図柄の花を印象づける効果があります。庭の中にたたずむ帯の姿は、静かな空気感の中に色華やかさが伝えられています。

山田祐照 Hiroaki YAMADA

デザイナー・プロフィール

山田祐照 Hiroaki YAMADA

 

ディスプレイデザイナー。1956年生まれ。東北工業大学工学部工業意匠学科卒業。日本空間デザイン協会理事。日本ビジュアルマーチャンダイジング協会理事。(株)ノムラデュオ取締役。ディスプレイデザイン・空間デザイン・プロダクトデザインと、幅広くデザインとディレクションを手がける。銀座和光・京橋ブリヂストンのショーウインドウでディスプレイデザイン最優秀賞受賞。現在は、百貨店のVMDや国内外のモーターショー、光による環境演出のデザインワーク(イルミネーション)を中心に活動している。人々の笑顔のために、ディスプレイという空間増幅装置を駆使し、あらゆる空間や環境に揚力を送り続けている。