Flower Display 〜フラワーデザインの挑戦〜 Vol.10

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Vol.10 木漏れ日の中クッションとともに春を楽しむ


 


Challenge!! Display

1 テーマ

my favorite cushion

ぽかぽか陽気の中で、何も考えず、うとうと・・・・・。寒さから解放された春には、やさしいお日様が私たちを温めてくれます。お庭に出した椅子にかけ、お気に入りの本を読みながら・・・・・・。そうそう忘れてはいけないのが、クッション。膝に置いて本をのせてもいいし、背もたれにしてもいい。クッションは私たちの暮らしの中で、とっても便利なもの。
そこで、今回はいつもは脇役に徹しているクッションをディスプレイのテーマにして展開してみます。

 

 

2 ディスプレイアイテムの特徴を捉える

クッションの柔らかく、やさしいイメージをどう表現するか。クッションが一番引き立つのは何かをまず考えます。さらに、フラワーデザインでディスプレイするために、クッションとの整合性をどうまとまめるか。異素材との融合が問われるのかもしれません。


3 テーマvsフラワーデザイナー

 

今回、クッションをディスプレイするフラワーデザイナーは平野博美NFD名誉本部講師。

 

 

 

クッションというテーマと、花とのコラボで、平野先生がまず考えたのがそれを繋ぐもの。インテリア空間でクッションとは切り離せないもの、そう椅子です。クッションというテーマに対して、植物へと連想させるものとして、ドウダンなどを使った植物素材の椅子。この流れなら違和感なく受け入れられるではないかと考えました。   

平野先生デザイン画

平野博美名誉本部講師によるデザイン画

 

4 ディスプレイデザイナーとのコラボ

フラワーデザイナーが考えたデザイン案をプロのディスプレイデザイナーのアイディアと融合させます。

 

植物素材の椅子だけでなく、さらにそれを繋げる、あるいは進化、あるいは強調という言葉を念頭に、葉物で作ったクッション(中心に花を生ける)をそえるというアイデアが出てきました。そして、ディスプレイデザイナーである山田祐照さんとのやり取りの中で、椅子をくみ上げるために、ワイヤで各所を留めるのではなく、木の釘で本格的につくるテクニックを採用しました。一見するとわかりづらいかもしれませんが、本格的な椅子の雰囲気を醸し出しているのです。

ディスプレイデザイナー山田祐照さんによるパース①

ディスプレイデザイナー山田祐照さんによるパース① 

ディスプレイデザイナー山田祐照さんによるパース②
ディスプレイデザイナー山田祐照さんによるパース ②

山田さんからのパースを受けて、平野先生からこの空間に対しての椅子の座面のベストサイズについて、そして背景の青空の壁紙について質問がありました。そうして再び山田さんからより詳しいアドバイスが記載されたパースが届きました。

山田祐照さんからのパース③山田祐照さんからのパース③

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5 フラワーデザイナーからのデザインメッセージ

春の木漏れ日を感じながら、椅子に座る。お気に入りのクッションに囲まれながら、まったりとした時を過ごしているイメージで、ディスプレイしてみました。庭では小鳥たちがさえずり、妖精たちがおしゃべりしている。現実的な空間の中にメルヘンを持ち込んで、自然とともに春を楽しんでいる。そんな中でクッションが主役になるようデザインしてみました。

 

春の庭ということで、椅子も自然から進化したような手作りの椅子をセット。その上に同じく自然から抜け出したようなクッションを置くことで、既製のクッションとの融合を意識しました。

デザイナー・プロフィール

平野博美 NFD名誉本部講師

 

平野 博美 Hiromi HIRANO

 

NFD名誉本部講師 兵庫県支部

花ファッションデザインチーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6 ディスプレイデザイナーの視点
~監修いただいたディスプレイデザイナーの山田祐照氏からのコメント~

山田祐照さん

春の太陽の光を浴び穏やかな空間をイメージする。お気に入りのクッションをテーマにディスプレイを展開することになりました。
 樹木でできた椅子をモチーフにさまざまな検討がなされ、最終的にはシンプルな表現を選択し、「間」を生かした空間創りを心がけました。花や緑でつくったクッションと対比をすることで、実物のクッションを引き立たせました。
 クッションの柄から本物の花へ変化し空間に咲かせます。枝の先から地面へと視線と誘導し流れを生み出します。
 目を凝らしてみると妖精や蝶が見えてきます。遠景からも、近寄ってからも楽しめるディスプレイとなりました。視線をもてなす仕掛けが魅力を増幅させます。

 

 


 

 

 

 

山田祐照氏

デザイナー・プロフィール

山田祐照 Hiroaki YAMADA

 

ディスプレイデザイナー。1956年生まれ。東北工業大学工学部工業意匠学科卒業。日本空間デザイン協会理事。日本ビジュアルマーチャンダイジング協会理事。(株)ノムラデュオ取締役。ディスプレイデザイン・空間デザイン・プロダクトデザインと、幅広くデザインとディレクションを手がける。銀座和光・京橋ブリヂストンのショーウインドウでディスプレイデザイン最優秀賞受賞。現在は、百貨店のVMDや国内外のモーターショー、光による環境演出のデザインワーク(イルミネーション)を中心に活動している。人々の笑顔のために、ディスプレイという空間増幅装置を駆使し、あらゆる空間や環境に揚力を送り続けている。